アンサンブル・モデルンの名演ライヴ発売!
巨匠エルネスト・ブールの秘蔵音源CD化!
エルネスト・ブール[1913-2001]の名前を聞いて「ああ懐かしい」と感じた人は昔からの筋金入りの現代音楽リスナーでしょう。ブールはその名前からも察せられるようにフランス人ですが、出身地ストラスブール(シュトラスブルク)は歴史上、独仏両国の思惑に翻弄され独自の文化が育まれた場所で、そんな土地に育ったブールには国境に囚われない進取の精神が培われたのでしょう。指揮をヘルマン・シェルヘンに師事し幾つかの歌劇場や楽団で活躍した後、1964年からハンス・ロスバウトの後任として南西ドイツ放送交響楽団の首席指揮者を務めました。近現代音楽とりわけヨーロッパの前衛的傾向が強い作品を得意としたブールですが、一方で南西ドイツ放送響とモーツァルトの交響曲を数多く録音するなど、古典派にも名演を残しています。
このCDはクセナキスとベートーヴェンをカップリングした、ブールの二つの側面を知るのに最適の一枚。クセナキスの『アラクス』は3群のオーケストラが絡み合い分岐し衝突し、また合流するプロセスの中で、時に官能的ともいえるほど鮮やかで色彩的な音響が立ち上がります。対してトーマス・ツェートマイアーをソリストに迎えてのベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、いわゆる新即物主義による無駄のないスポーティな演奏ですが、第2楽章では大変叙情的で歌心あふれる演奏を展開し、終楽章のほとばしるようなエネルギーも忘れがたいものです。(TOBU)
【収録情報】
・クセナキス:『アラクス』〜3群の同一編成のアンサンブルのための
ハンス・アイスラー新音楽グループ
アンサンブル・ケルン
アンサンブル・モデルン
エルネスト・ブール(指揮)
録音時期:1985年9月15日
録音場所:ケルン音楽大学
録音方式:ステレオ(初演のライヴ)
・ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61
トーマス・ツェートマイアー(ヴァイオリン)
アンサンブル・モデルン
エルネスト・ブール(指揮)
録音時期:1987年10月26日
録音場所:ケルン・フィルハーモニー・ホール
録音方式:ステレオ(ライヴ)